日曜の夜です
明日からまた仕事だな、とぼんやり考えながら、あなたはスマホで「任天堂 年収 低い」と打ち込みました
検索ボタンを押す指が、少しだけためらった気がします
「任天堂に勤めてる」と話すと、たいていの人は「すごいじゃん」「勝ち組だね」と言ってくれます
でも、その言葉を素直に受け取れない自分がいる
給与明細を見るたび、決算の「過去最高益」というニュースを見るたび、胸の奥に小さな引っかかりが残る
その引っかかりの正体が分からないまま、今日もこうして検索窓に「低い」という言葉を入れてしまった——そんなところではないでしょうか
先に、いちばん大事なことをお伝えします
あなたが感じている「なんだか低い気がする」というモヤモヤは、わがままでも贅沢でもありません
むしろ、自分の価値にきちんと向き合おうとしている、正常なアンテナが働いている証拠なんです
この記事では、そのモヤモヤを「気のせい」で終わらせず、ひとつずつ言葉にしていきます
- 任天堂の年収は「本当のところ」高いのか低いのか(公式データで確認)
- 絶対額は高いのに「低い」と感じてしまう、5つの構造的な理由
- 任天堂に残るべきか、転職を検討すべきかを決めるための判断軸
- 動くと決めた時に失敗しないための、具体的な第一歩
読み終わるころには、漠然とした不安が「なるほど、こういう構造だったのか」という納得に変わっているはずです
そして、焦って何かを決める必要はないと分かったうえで、自分のペースで次の一歩を選べるようになります

任天堂って、年収いいイメージしかないですけど…なんで「低い」って検索されてるんですか?



いい質問ですね。実はそこに、多くのエンジニアが見落としている大事なヒントが隠れているんです。その「なんで」を、今日いっしょに解きほぐしていきましょう。
「任天堂の年収は低い」は本当か?まず事実から確かめよう


感情の話に入る前に、まずは冷静に「事実」を確認させてください
あなたが検索して混乱しているのは、たぶんネット上の数字がバラバラだからです
「平均967万円」と書いてあるサイトもあれば、「実は低い」と書いてあるサイトもある
どっちが本当なんだ、と思いますよね
ここでは、いちばん信頼できる公式の数字から順番に整理していきます
有価証券報告書で見る、任天堂の平均年収


上場企業は、毎年「有価証券報告書(=会社のお金まわりを国に報告する公式書類)」というものを公開しています
ここに書かれている「平均年間給与」が、いちばんウソのない数字です
任天堂の場合、2024年3月期で約962万円、最新の2025年3月期で約967万円となっています
この時の平均年齢は40.2歳です
まず、この数字を図で見てみましょう


引用元:日本経済新聞「年収 任天堂の平均年収は967万円」、有価証券報告書より
日本の上場企業の平均年収は、だいたい600万円台と言われています
それと比べると、任天堂の967万円は明らかに高い水準です
つまり「絶対額」だけを見れば、任天堂の年収は決して低くありません
ここはハッキリさせておきます
ただし、ひとつ注意があります
この967万円は、あくまで「全社員をならした平均」です
20代の若手も、40代の管理職も、全部まとめて割った数字なんです
だから「自分は967万円ももらっていないぞ」という人がいても、それは当たり前のことです
この「平均」と「自分の実感」のズレも、後で出てくる大事なポイントになります
なぜ有価証券報告書の数字がいちばん信頼できるの?
有価証券報告書は、法律にもとづいて作成・公開が義務づけられている書類です。数字をごまかせば法的な責任を問われるため、口コミサイトの自己申告データなどと比べて、ずっと正確で改ざんの余地が少ない情報源とされています。会社の平均年収を調べるときは、まずこの「有報(ゆうほう)」の数字を基準にするのが鉄則です。
ネットの数字がバラつくのはなぜか(962・967・988・782の謎)


「任天堂 年収」で検索すると、サイトによって数字が違います
962万円、967万円、988万円、782万円——いったいどれが本当なんだ、と混乱しますよね
でも、これには理由があります
同じ「年収」という言葉でも、出どころによって「何を数えた数字か」が違うんです
表で整理してみましょう
| 数字 | 出どころ | 何の数字か |
| 約962万円 | 2024年3月期 有価証券報告書 | 会社が国に報告する公式の平均年間給与 |
| 約967万円 | 2025年3月期 有価証券報告書 | 同上の最新版(平均年齢40.2歳) |
| 約988万円 | 一部の年収まとめサイト | 集計年度や対象範囲が異なる推計値 |
| 約782万円 | OpenWorkの口コミ平均 | 回答した社員の自己申告をならした平均 |
こうして並べると、スッキリしませんか
有価証券報告書の962万円〜967万円が、いちばん信頼できる「公式の平均」です
一方で、口コミサイトの782万円は「実際に回答した社員の体感に近い数字」とも言えます
この公式の数字と、現場の体感の差——ここにも「低いと感じる」ヒントが隠れています
実際、就職や転職を考えている人向けのQ&Aサイトを見ていると、こんな質問をよく見かけます
「任天堂って年収が低いって本当ですか。でも967万円って書いてあるサイトもあって、何を信じればいいのか分からなくなってきました」
この混乱、すごく自然なことだと思います
情報がバラついているせいで、自分の感覚が正しいのかどうかも分からなくなってしまう
だからこの記事では、ここから先も「公式の一次情報」を軸に話を進めていきます



つまり、任天堂の年収は「数字としては高い」ってことで確定なんですね?



そうです。絶対額は高い、これは事実。でも問題はここからなんです。「数字は高いのに、なぜ低いと感じる人がこんなに多いのか」。次の章が、この記事のいちばん大事なところです。
それでも「低い」と感じてしまう5つの理由


ここからが本題です
任天堂の年収は、絶対額で見れば高い
なのに、現職の社員から「低い」という声が出る
これは矛盾しているように見えて、実は矛盾していません
あなたの感覚はおかしくありません。ちゃんと、5つの理由があるんです
ひとつずつ、いっしょに見ていきましょう
理由① 会社の稼ぎとの「体感ギャップ」が大きすぎる


1つ目の理由は、いちばん根が深いものです
それは「会社がどれだけ稼いでいるか」と「自分の給与」のギャップです
任天堂の2025年3月期の決算を見てみます
当期純利益(=1年間で会社の手元に最終的に残った利益)は、約2,788億円でした
そして、グループ全体の従業員数は8,205人です
この利益を従業員の人数で単純に割ると、ひとり当たり約3,400万円という数字になります
図で並べてみましょう


引用元:任天堂「2025年3月期 決算短信」、有価証券報告書より(一人当たり純利益は当期純利益÷連結従業員数で算出)
ここで、とても大事な注意点があります
「ひとり当たり純利益3,400万円」は、「社員にそれだけ払える」という意味では決してありません
会社の利益は、研究開発や将来への投資、内部留保(=もしもの時のための会社の貯金)、株主への配当などに分けて使われます
だから「3,400万円もらえるはずだ」という話ではありません
ここは誤解しないでください
でも——です
この数字を知ってしまうと、心のどこかがザワつきませんか
「会社はこれだけ生み出しているのに、自分に返ってくる感覚がこれくらいなのか」と
その違和感は、データの裏づけがある違和感なんです
実際、社員の口コミにも、同じ温度感の声があります
「給料は高いものの、同じ規模の会社と比べるとずいぶん低いです。30代でも1000万は渡せる余裕はあると…」
引用元:OpenWork「任天堂株式会社 社員クチコミ」より(事務/在籍5〜10年/現職/新卒入社/男性)
この声、痛いほど分かります
「給料は高い、でも会社の規模を思えばもっとあっていいはず」
この引っかかりは、文句でもわがままでもありません
会社の力を間近で見ているからこそ、出てくる感覚なんです
理由② ソニー・バンダイナムコ——同業大手と比べてしまう


2つ目の理由は、もっと身近な「比較」です
人は、世間の平均ではなく「自分の隣にいる人」と比べてしまう生き物です
同じゲーム業界、同じくらいの規模の会社にいる友人と、つい年収を比べてしまう
では、同業大手の平均年収を並べてみましょう


引用元:GameBusiness.jp「ゲーム業界の平均年収ランキングTOP20をSalesNowが公開」より(SalesNow調査、2025年7月)
この調査では、ソニーグループが約1,113万円、バンダイナムコホールディングスが約1,095万円
そして任天堂は約963万円で、セガサミーホールディングスは約879万円でした
任天堂は、世間全体で見れば文句なしの高水準です
でも、ゲーム関連の大手の中だと、ソニーやバンダイナムコより下に位置しています
「同業の友人と比べて、なんとなく低い気がする」——その体感には、ちゃんと根拠があったんです
ただし、ここでも冷静になってください
この数字には「ホールディングス(=複数の会社をまとめる持株会社)」も混ざっています
持株会社は、社員の構成が管理職や専門職に偏りやすく、平均が高く出やすい性質があります
だから「ソニーに移れば必ず上がる」という単純な話ではありません
大事なのは「他社のほうが高い」という事実そのものより、その差を見て自分が動揺している、という心の状態に気づくことです
理由③ 強い年功序列で、若手・中堅は「上がっている実感」が薄い


3つ目の理由は「給与の上がり方」です
任天堂は、社員の口コミを見ても「年功序列(=勤めた年数が長いほど給与が上がる仕組み)の色がかなり強い」と語られています
「完全な年功序列に近く、入社して数年は上がるが、その後は伸び悩む。成果より勤続年数で給与が決まる感覚がある」
引用元:OpenWork「任天堂株式会社 年収・給与制度」から複数の口コミの傾向を要約
これ、エンジニアにとってはかなりつらいポイントです
難しい技術課題を解決しても、新しい仕組みを設計しても、それが給与にすぐ反映される感覚が薄い
「成果を出した」という手ごたえと、「給与が上がった」という実感が、つながらないんです
20代後半から30代——いちばん力をつけて、いちばん働いている時期に、この感覚に直面します
たとえるなら、こういうことです
同じ電車に乗っていて、速度はそこそこ速い
でも、窓の外をどれだけ見ても景色がほとんど変わらない
「自分は前に進んでいるんだろうか」と不安になる——あの感覚に近いと思います
理由④ マネージャー昇格で残業代が消え、一時的に年収が下がることも


4つ目は、少し意外な「落とし穴」です
任天堂は、残業代が全額しっかり支給される会社だと言われています
これ自体は、とても良いことです
ただ、裏を返すと「若手のうちは、残業時間の分だけ年収が増えている」とも言えます
そして、35〜40歳前後でマネージャー職に昇格すると、状況が変わります
管理職の扱いになると、残業代が支給の対象から外れるケースが出てきます
すると、何が起きるか
「昇格したのに、手取りが前より減った」という逆転現象が起こりうるんです
役職は上がった、責任も増えた、でも給与明細の数字は減っている
これは、モチベーションにかなり効いてきます
「頑張って上を目指した結果がこれか」と感じてしまうのも、無理はありません
理由⑤ 中途入社は、新卒より低めに設定されがち


5つ目の理由は、中途で入った人が感じやすいものです
社員の口コミを見ると、こんな傾向が語られています
「中途入社者は、新卒に比べて給与が低めに設定される傾向があると感じる」
引用元:OpenWork「任天堂株式会社 年収・給与制度」から複数の口コミの傾向を要約
年功序列が強い会社では、よく起こることでもあります
「勤続年数」を給与の基準にしているので、外から入った人はスタート地点が低くなりやすいんです
前職で十分な実力をつけてきた人ほど、「自分の経験が正当に値づけされていない」と感じやすくなります
もうひとつ、給与の「中身」についても声があります
「年収:750万円 給与制度の特徴:基本級はかなり少ない。ボーナスは7.5ヶ月程度出るが、基本給が…」
引用元:OpenWork「任天堂株式会社 社員クチコミ」より
これは見逃せないポイントです
基本給が控えめで、賞与(ボーナス)の比率が高い給与構造だ、という指摘です
年収の「総額」は出ていても、基本給が薄いと、住宅ローンの審査や、退職金、転職時の年収の基準などで、じわじわ効いてきます
「額面は出ている、でも基本給が」——ここに気づいている人は、かなり鋭いです
ここまでの5つの理由を、ひとつの図にまとめます
任天堂の給与構造には「安心できる面」と「モヤモヤしやすい面」が、はっきり分かれて存在しているんです


引用元:OpenWork「任天堂株式会社 年収・給与制度」などの社員口コミ・給与制度解説をもとに作成
左側の「安心できる面」も、ぜんぶ本当のことです
任天堂は、絶対額も安定性も、間違いなく優良企業の水準にあります
でも、右側の「モヤモヤしやすい面」も、同じくらい本当なんです
あなたが感じている「低い気がする」は、この右側の4つが重なって生まれている——そう考えると、腑に落ちませんか
「年収が低いと感じる」のは、危険なサインではなく”正常なアンテナ”


ここで、いったん立ち止まらせてください
「任天堂みたいな会社にいて、年収に不満を持つなんて、自分は贅沢なんじゃないか」
もし、少しでもそう思ってしまっているなら——その考え方は、いったん手放してほしいんです
「低いと感じる」というのは、危険なサインでも、心が弱っているせいでもありません
自分の市場価値に向き合うべきだ、というアンテナが、正常に働いている証拠です
そのアンテナを「贅沢な悩み」という言葉で折ってしまうのが、いちばんもったいない
なぜなら、その違和感を「気のせい」として放置すると、本来あなたが受け取れるはずの評価を、これからも逃し続けることになるからです



でも、任天堂で「年収が…」なんて言ったら、まわりに笑われそうじゃないですか?



その「笑われそう」という気持ちで自分の感覚にフタをするのが、一番危険なんですよ。年収への違和感は、わがままじゃなくて「もっと自分を活かせる場所があるかも」というサインです。フタをしないで、ちゃんと見てあげてください。
勘違いしないでほしいのは、「だから今すぐ辞めろ」と言っているわけではない、ということです
むしろ逆です
その違和感を、感情のまま「辞める」「辞めない」に直結させてしまうのが、いちばん危ない
まずは、その違和感を「正しい判断材料」に変えていく
次の章で、その「判断軸」をいっしょに作っていきましょう
任天堂に残るべきか、転職を検討すべきか——「判断軸」を持とう


「年収に違和感がある=転職しなきゃいけない」
これは、よくある思い込みです
最初に、はっきり言わせてください
任天堂に「残る」という選択も、十分に立派な正解です
大事なのは、残るにせよ動くにせよ「なんとなく」で決めないこと
「なんとなく不安だから動く」も、「なんとなく怖いから残る」も、どちらも危険なんです
任天堂に「残る」ことが正解になる人


まず、任天堂に残るメリットを、正直に並べます
- 絶対額は業界トップクラス。世間で見れば文句なしの高水準
- 賞与が手厚く、年2回しっかり出る。業績が良い年は上乗せもある
- 経営が極めて安定していて、いきなり給与が崩れるリスクが低い
- ブランド力、開発環境、福利厚生は、他社がうらやむレベル
これは、お世辞でも何でもなく、事実です
社員の口コミにも、こうした声があります
「賞与の比率が高く、業績が良いと上乗せされる。国内のゲームメーカーの中では屈指の高給だと思う」
引用元:OpenWork「任天堂株式会社 年収・給与制度」から複数の口コミの傾向を要約
だから、こういう人は「残る」が正解になりやすいです
仕事の内容そのものに満足していて、ひっかかっているのが「年収だけ」という人
こういう場合は、社内での評価の上げ方や、キャリアの組み立て方を見直すほうが、答えに近いこともあります
環境ごと手放す必要は、まったくないんです
「転職を検討したほうがいい」と考えていい人


一方で、ひっかかっているのが「年収だけ」ではない人もいます
たとえば、こんな違和感が複数あてはまる人です
- 年収だけでなく「成長している実感」も持てなくなってきた
- 今のスキルが、社外でも通用するのか自信が持てない
- 年功序列の「この先」が見えてしまって、わくわくしない
- 「自分は外でいくらの評価なのか」を、一度も確かめたことがない
こういう人は、「転職を検討する」ことを自分に許していいと思います
ただし、ここで強調したいことがあります
「転職を検討する」と「今すぐ辞める」は、まったく別のことです
情報を集めるのも、自分の市場価値を調べるのも、在職中のままできます
辞表を出すのは、ぜんぶ調べ終わって、納得してからで遅くありません
どちらを選ぶにせよ、出発点は同じ——「自分の市場価値を知ること」


ここまで読んで、気づいたことはありませんか
「残る」が正解の人も、「転職を検討」が正解の人も、最初にやるべきことは同じなんです
それは——自分の市場価値を知ることです
残ると決めるにしても、「外ではこれくらいの評価なんだ。それでも今の環境を選ぶ」という納得があったほうがいい
動くと決めるにしても、自分の価値を知らなければ、正しい交渉も企業選びもできません
判断材料がないまま、人生の大きな選択はできないんです
そして、エンジニアにとって、ひとつ心強い事実があります
IT人材は、世の中全体で足りていません
経済産業省が公表した試算を見てみましょう


引用元:経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書」より(みずほ情報総研、2019年)
この試算では、IT人材の不足は2018年の約22万人から、2030年には拡大する方向だとされています
2030年の不足数は、低めの見積もりで約16万人、真ん中の見積もりで約45万人、高めの見積もりで約79万人です
これはあくまで「試算(=予測の計算)」であって、決まった未来ではありません
「79万人」という数字だけが独り歩きしやすいので、真ん中の約45万人も合わせて覚えておいてください
それでも、はっきり言えることがあります
エンジニアの市場価値は、構造的に高まりやすい環境にあるということです
あなたが任天堂で積んできた経験は、その追い風の中にいます



つまり、辞めるかどうかを決める前に、まず「自分の値段」を調べるのが先ってことですね?



その通りです。順番が逆になっている人がすごく多いんです。「辞めるかどうか」を先に悩んで、市場価値は後回し。これだと感情で決めることになります。価値を知ってから決める、この順番だけは守ってください。
市場価値を知らずに動くと失敗する——よくあるつまずきパターン


「市場価値を知る前に動いた人」が、どこでつまずくのか
転職の現場でよく語られる「つまずきパターン」を、5つ紹介します
これは「○%が失敗する」といった統計の話ではなく、あくまで「よく見られる傾向」です
でも、知っているだけで避けられるものばかりなので、しっかり頭に入れてください
つまずき① 現職の年収をベースに「希望年収」を決めてしまう


いちばん多いのが、これです
「今が700万円だから、希望は750万円くらいで」と、現職の年収を基準にしてしまう
でも、考えてみてください
その「今の700万円」は、これまで説明してきた年功序列や基本給の構造の中で決まった数字です
あなたの市場価値は、今の会社の評価ではなく、市場の相場で決まります
現職を基準に希望額を出すと、本来もっと高く評価されるはずの人でも、低いオファーで満足してしまうことがあるんです
ものさしが、そもそも狂っている状態で交渉している——これが怖いところです
つまずき② 職務経歴書が「担当業務の羅列」になっている


2つ目は、職務経歴書(=これまでの仕事内容と実績をまとめた書類)の問題です
任天堂での経験は、間違いなく強い武器です
なのに、書き方ひとつで、その武器がまったく光らなくなる
ありがちなのが「○○の開発を担当」「△△の保守を担当」と、やったことを並べるだけの書き方です
読む側からすると、「で、この人は何ができる人なの?」が伝わってきません
大事なのは「どんな課題を、どう考えて、どう解決したか」というストーリーです
正直に白状すると、私自身、昔の職務経歴書は「担当しました」の羅列でした
当時の自分に会えるなら、「それじゃ何も伝わらないよ」と肩を叩いてやりたいくらいです
つまずき③ エージェントを1社しか使わない/なんとなく選ぶ


3つ目は、相談相手の選び方です
転職エージェントを1社だけ登録して、紹介された求人の中から決めてしまう人がいます
でも、1社だけだと、そのエージェントが得意な分野の求人に偏ってしまいます
見えている景色が、最初から狭くなっているんです
もうひとつ、エンジニア・ゲーム職の人がよく口にする不満があります
IT以外の業界も幅広く扱う総合型のエージェントだと、担当者が技術のことをよく分かっていないケースがある、というものです
専門用語が通じず、的外れな求人ばかり紹介された——そんな声を聞くことがあります
これは一理あります
だからこそ、IT・Web・ゲーム業界に特化したエージェントを軸にして、複数を比較するのが鉄則なんです
つまずき④ 移れる先の「業界構造の違い」を理解しないまま動く


4つ目は、転職先の「構造」を知らないまま動くことです
ひとことで「ゲーム業界」「IT業界」と言っても、中身はぜんぜん違います
自社でサービスを作る事業会社、他社から開発を請け負う受託の会社、専業のゲーム会社——構造が違えば、働き方も評価のされ方も変わります
「任天堂の外に出れば、すべてが良くなる」わけではありません
逆に、「任天堂のここが合わなかった」が、転職先でもっと強く出てしまうこともあります
業界の構造をちゃんと理解してから動く——これだけで、ミスマッチ(=入社後の「思っていたのと違う」)はかなり減らせます
つまずき⑤ 技術スタックの「棚卸し」をしない


5つ目は、動き出す前の「準備」の話です
「なんとなく今の環境が物足りない」
この「なんとなく」だけで動いてしまうと、面接で自分の強みも弱みも説明できません
まずやるべきは、技術スタック(=仕事で使うプログラミング言語や開発ツールの組み合わせ)の棚卸しです
自分が何を使えて、何を経験してきて、どこに伸びしろがあるのか
これを言葉にして整理することが、市場価値を知るための「いちばん最初の一歩」になります
ここまでの5つを、「やりがちなNG」と「正しい進め方」で並べてみます


引用元:転職支援の現場でよく語られる「つまずきの傾向」をもとに作成(統計値ではなく傾向の整理)
くり返しますが、これは統計ではなく「傾向」です
でも、右側の「正しい進め方」をなぞるだけで、つまずく確率はぐっと下がります



職務経歴書って、今の業務内容をコピペして、あとはGitHubのリンク貼っとけばいいんですよね?



リョウさん、それ、さっき出てきた「つまずき②」そのものですよ…。コピペじゃなくて、「どんな課題をどう解決したか」を書くんです。そこ、いちばん大事なところです。
後悔しない第一歩——市場価値を知るための具体アクション


ここまで読んで、「まず市場価値を知る」が出発点だと分かってもらえたと思います
では、具体的に何をすればいいのか
これは「辞める前提」のアクションではありません
「知る前提」の、リスクの低い3ステップです
自分が社外でいくらの評価を受けるのかを、まず数字で知る
任天堂での経験を、業務の羅列ではなくストーリーで職務経歴書にする
技術を理解してくれる相談相手を、複数並べて比べる
ひとつずつ、見ていきましょう
ステップ1 市場価値を「数字」で把握する


最初のステップは、自分の市場価値を「数字」にすることです
年収予測の診断ツールや、エージェントによる市場価値の見立てを使えば、「自分は今、外でどれくらいの評価なのか」がはっきりします
数字が出ると、何が変わるか
「残る/動く」の判断が、感情論ではなくなります
「外でも今と同じくらいなら、安定している任天堂に残ろう」も、「外のほうが明らかに高いなら、検討してみよう」も、どちらも”数字を見たうえでの判断”になるんです
これが、後悔しない意思決定の土台になります
ステップ2 任天堂での経験を「解決した課題」で書き直す


次に、職務経歴書を「解決した課題」の目線で書き直します
「何を担当したか」ではなく、「どんな課題があって、どう考えて、何を成し遂げたか」
この順番で書くだけで、同じ経歴がまったく違う輝きを持ちます
とはいえ、自分の経歴を自分で魅力的に書くのは、想像以上に難しいものです
ここで頼れるのが、IT特化型の転職エージェントです
IT特化型のエージェントには、職務経歴書の添削や模擬面接を、回数の制限なく手厚くサポートしてくれるところがあります
第三者の、しかも技術が分かる人の目を通すことで、自分では気づけなかった「強み」が言葉になっていきます
ステップ3 IT特化型エージェントを軸に、複数を比較する


最後のステップは、相談相手選びです
ここまで何度も出てきましたが、エンジニアの転職活動は「IT特化型のエージェントを軸にする」のが基本です
理由は、担当者の技術理解の深さです
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正社員として採用されてから学ぶスタイルなので、給料をもらいながら勉強に専念できます
大切なのは、いきなり転職を決めることではありません
「自分は外でどう評価されるのか」を知る——たったそれだけで、任天堂に残るという選択も、もっと納得感のあるものに変わります
まとめ|「任天堂の年収が低い」と感じたあなたへ


長い記事を、ここまで読んでくれてありがとうございます
最後に、いちばん大事なことをもう一度お伝えします
任天堂の年収は、絶対額で見れば高い——これは事実です
でも、あなたが「低い」と感じてしまうのには、5つの構造的な理由がありました
- 任天堂の平均年収は約967万円。絶対額は業界トップクラスで「低い」は誤解
- それでも低く感じるのは、会社の稼ぎとの体感ギャップ・同業大手との比較・強い年功序列・昇格時の残業代消失・中途の格差という5つの理由から
- 「低いと感じる」のは贅沢な悩みではなく、市場価値に向き合うべき正常なアンテナ
- 残るのも転職を検討するのも正解になり得る。出発点はどちらも「自分の市場価値を知ること」
- 動くなら、市場価値の把握・職務経歴書の書き直し・IT特化型エージェントの複数比較を
「低いと感じた」のは、あなたのアンテナが正常に働いている証拠です
そのアンテナを「気のせい」で折らずに、ちゃんと next step につなげてあげてください
焦る必要はありません
辞める必要も、まだありません
ただ、「自分は外でいくらの評価なのか」を知る——その一歩だけは、今日からでも踏み出せます
よくある質問
- エージェントに相談したら、必ず転職しないといけませんか?
-
その必要はありません。市場価値を知るための情報収集だけでも問題ありませんし、相談した結果「今は任天堂に残る」と決める人もたくさんいます。判断するのはあくまであなた自身です。
- 在職中でも相談できますか?
-
はい、在職中の相談がむしろ一般的です。働きながら市場価値を調べ、職務経歴書を整え、納得できる選択肢が見つかってから動く——この順番が、後悔の少ない進め方です。



いいですか、年収への違和感は、放っておくと「慣れ」に変わってしまいます。慣れる前に、一度だけ自分の市場価値を確かめてみてください。残るにしても動くにしても、その数字を知っているあなたは、もう迷いません。
最後に、もう一度だけ
「自分の市場価値を知る」という第一歩は、無料で、今日から、在職中のまま踏み出せます
ITエンジニア経験者の支持が厚い、IT特化型の転職エージェントから、まずは気軽に相談・情報収集を始めてみてください
ITエンジニア経験者向け


ITエンジニア経験者のみなさんが、転職で年収をあげるなら「ITに特化した転職エージェントを利用する」のが成功への近道ですよ
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- 1位 TechGo(テックゴー)
- 2位 Geekly(ギークリー)
- 3位 レバテックキャリア
それぞれのサービスがもつ強みについて、ここからはくわしく見ていくことにしましょう
1位 TechGo(テックゴー)
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企業ごとの選考ポイントをしっかりおさえているので、効率よく内定を目指したい人に向いています
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アドバイザーによって提案に差が出ないよう、最初の面談で自分の戦略を伝えておくと安心ですよ
ITエンジニア未経験向け


ITエンジニア未経験の人は、研修や相談体制がしっかりしている転職エージェントを選びましょう
初心者の不安を解消してくれる、サポートが手厚いランキングTOP3を紹介していきます
- 1位 @PRO人
- 2位 キャリアカンパニー
- 3位 ラクスパートナーズ
ひとつずつ中身を確認していきましょう
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カウンセラー1人あたりが担当する人数は、10名に制限しており、手厚いフォローが約束されています



情報が多すぎて何をえらべばいいか迷ってしまう人に、寄り添ってくれる "心強い味方" になりますよ
2位 キャリアカンパニー
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今のスキルを客観的に診断してくれるので、次にどのステージを目指すべきかが明確になりますよ
活動の目安は1ヶ月から3ヶ月となっており、スピーディーに新しい環境へ移りたい人に最適です



まだ転職するか決まっていない段階での相談も歓迎しているので、気軽に第一歩を踏み出せますね
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